おれは小さいころから肩たたきだけはうまくて
叩く人揉む人に口々にほめられて大きくなった
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あるとき親戚のおばさんからコツを尋ねられ
- 「力を押し付けないこと。反対方向に逃がすこと」
- 「当たった瞬間に一瞬引くこと」
- 「グーでもパーでも指1本でも数本でも必ず遊びの空間を作ること」
- 「ピアノの伴奏に似ている」
- 「リズムに変化をつけること」
- 「叩いている自分が飽きないこと」
- 「手首、指の付け根、関節、指先がつながってしなやかに動くイメージ」
ほか7歳頃のおれは説明をしたのだが
尋ねたおばさんは「才能ね」というばかりだった。
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育て方がうまかったのだと思う。
ばあさんもお袋も
(本当に気持ちがよかったのだろう)
「気持ちがいい」「本当に上手」
お袋などは「子宮に響く」「あなたはこれだけは才能がある」
といってほめてくれた。
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いま、みーちゃんが味を覚えてしまったようだ。