illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

男の子はなぜ現れたか / 江國香織「デューク」について

江國香織「デューク」は、亡くなったデュークが男の子に姿を変えて、女の子に「いままでずっと楽しかったよ」と伝えにくる話です(のっけから申し訳ありません)。ただ伝えるだけでなく、デュークが女の子にしてもらってうれしかった具体的なひとつひとつのこ…

受かりたいといわれたら

TOEICと東京医科歯科対策のオンライン授業を(高時給で)やっております。始めました。日本の近代化は総体として誤りです。しかしながら、「受かりたい」「何とかしていただけないでしょうか」といわれたら、そりゃ何とかします。できるだけのことをします。 …

おれのくーちゃん

おれのくーちゃんは換毛やいわゆる発情期になると、少し、鳴き方や挙措が変わったかなと感じられるときがある。不安定になるというか、いつもと、少し違う。そういうときに、しっかり、安定していてあげたい、あげなきゃなと思う。それは20年前、別れた妻に…

おれのゆで小豆

staubで小豆を茹でて餡を練った。 これが信じられないくらいに甘くてうまい。砂糖の分量は世に流布されるグラム数から3割方、減らした。それでもこんなに入れるのかとおっかなびっくりしながら入れて溶かした。夕べ、冷える前に味見をしたときにはさほどでも…

おれのくーちゃん

毎日の食(の準備)をアウトソースして、浮いた時間を(も)動員し、何かしらの社会的な成功を収めようという発想が誤りのもとです。 具材が手に入る距離にあり、いつでも自分で、作って食べられる。もりもり食べる。頭の回転がよくなります。そうした基本的な原…

栗といつまでも

いつものシャポー/澤光青果/イトーヨーカドーとは違ってたまには少し遠くに足を伸ばしてみた。伸ばしたとはいっても船橋中央図書館と同じ建物(!)でここは日ごろの散歩圏内。ヤマイチさん。外回り営業の途中で「そういえばここにもスーパーがあった」と入って…

おれのくーちゃん

仕事を早回しで片付けて、商談を船橋寄りに集めて、少し遅いお昼に、くーちゃんに会いに戻ってきた。去年の9月10が月から、ほとんどくーちゃんとは日がな一緒にいた。「日がな」というのは「さも1日中そうだったかのように見えて」(実際には定かでない)とい…

ハルサメとは何か

id:wattoさんのツイートから来ました。 「小雨」「氷雨」の「雨」はなんで「サメ」と読むのだろう。 - 爽風上々のブログ 大変に面白い。大好きです。ワタクシいまさらですが学位はありませんが高校時代を含めると30+年、品詞分解を在野の好事家として研究し…

「君が代」古形に就きて

おそらく古い形は、 我が君は千代にましませ/さざれ石の巌となりて苔のむすまで です。助詞「が」がポイントでして、古語で「AがB」というときにはAにとって(親しい)所有のBという意味です。例えば西行はわかって使っています。 松が根の岩田の岸の夕涼み君…

有明の月を待ち出でつるかな

こちらは、素性法師です。 今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな これも非常にいい歌です。前回の「有明のつれなく見えし別れより」との対で見ても面白い。 今来むと:「む」は意志。「と」は引用。今はこの場合「いますぐ」「もう間もな…

暁ばかり憂きものはなし

追記:旧暦26日頃の月が「有明の月」「暁月」と呼ばれます。壬生忠峯が袖にされた(つらい別れのあった)のは(何月かは判りませんが)下旬、26日前後であることがわかります。 * 壬生忠峯(860?-920?)に、有名な、 有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きもの…

都会では政治化する若者が増えている

都会では政治化する若者が増えている。それよりも問題は明日のご飯。サツマイモが高い。行かなくちゃ。シャポー船橋に行かなくちゃ。ヨーカドーにも行かなくちゃ。雨に濡れ。冷たい豆苗が今日も冷蔵庫の中にある。黄身をことこと煮たいな。灌漑は偉大。それ…

すばらしい閉会式でした

すばらしい閉会式でした。 www.youtube.com2021/8/8 船橋海神

アイデンティティを問うということ

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」 (黄金頭さんを推薦する趣旨です。僕ではありません。推薦作品は当然の――) わいせつ石こうの村(黄金頭) - カクヨム * アイデンティティを――近現代の日本の知識層にあって――問うということは、本質的…

おれのくーちゃん

家庭菜園をやりたい。ベランダを片付けた。プランターをきれいにした。割れはない。スコップも如雨露(じょうろ)もある。鉢底石も、ネットもある。初心者――初心者だ。ものごころの付く前の3歳ころから、中央集権に知力体力時の運を吸い取られる端緒となる6歳…

おれのくーちゃん

仲直りの反対は、仲違いです。直るー違(たが)う、で対をなします。 くーちゃんがクーラー(エアコン)本体の上に乗ってしまったので、「くーちゃん、いけません」とメッセージを発したのですが、当然、くーちゃんはご機嫌斜め、不承不承、納得せずに、クーラー…

おれのくーちゃん

ベッドの上に、くーちゃんが気に入って、よく背を伸ばして横になっている(横になることを覚えた)ので、段ボールが2枚、敷いてある。それは横になったときの僕の脚の置かれる場所に位置するのだが、僕が寝ているとくーちゃんが(いつの間にか)やってきて寝るの…

高須克弥がアピールする副作用について(薬剤は(訂)ゲムシタビンかな)「点と線」第64回

(6/6, 19:45追記)ご指摘いただきました。id:Keisan6798 さん、ありがとうございます! ゲムシタビンと思われます 使用しているWebサイトが日経メディカルの処方薬事典ではないか 非浸潤性膀胱癌についても膀胱内注入療法として 限定的ではあるがエビデンスの…

クラウドファンドなしで成立します「点と線」第53回

おはようございます。「点と線」第53回です。今回は本質的には話題1つだけ。 クラウドファンドなしで成立します。この図は比較的長く温めていておかしいなと思っていたのですが、田中孝博さんの「4億引っ張るつもりが2億円の宝くじ」ご発言によりこうだろう…

黄金頭さんの「女」について

何を引用しても、論旨も、結論も、変わりません。 「女」について - 関内関外日記 nekohanahime on Twitter: "ちょうど同じことをつらつらと思っていまして(専属文芸評論家として)、「ロベルト・ペタジーニやね。すきすきー」って、ひみつノートに温めていま…

「させていただく」を敬語の衣とタテヨコで分解してみる

「させていただく」には僕もかなりの――解釈上の――こだわりを持っています。高校古文を15歳で習い始め、以後、品詞分解と敬語には現代日本の共通語と、できれば平安以前の古語とを架橋したいと思って、日本におそらく1人しかいない「品詞分解士」を自称して参…

国語(現代文)入試問題例

次の文章は、平成後期から令和年間を代表する、ある日本の作家が記した物語の一節である。文章を読んで(問1)から(問9)に答えよ。なお、出題上、原文の漢字表記をかたかなや記号に置き換えたところがある。【制限時間60分】 あまり人に話したことはないけ…

おれのくーちゃん

おれのくーちゃんとおれとは、何というか相性がいいのだなと思うことがこのところたびたびある。 もちろんはなちゃんとの相性もいい。みーちゃんともいい。 しかし、何というか、それとはちょっと違う感じだ。くーちゃんは(くーちゃんがおれのことをどう思…

いわさきちひろのこと

おれの嫌いな四字熟語の筆頭近くに松本善明というのがある。 松本善明 - Wikipedia 1946年(27歳)1月、宮沢賢治のヒューマニズム思想に強い共感を抱いていたちひろは、日本共産党の演説に深く感銘し、勉強会に参加したのち入党した。5月には党宣伝部の芸術学…

おれのくーちゃん

前回まで おれのくーちゃん(長い) - illegal function call in 1980s 今回 ねこちゃんを大切に思いますね。 大切に思うと、ねこちゃんが朝起きても、ごはんを食べても、ごちそうさまをいいに来てくれても、おしっこをしても、うんちをしても、天日に干して取…

沈丁花・梅・芝桜(?)・狐・池(575)

僕の好きな4字熟語に筑紫歌壇というのがあります。 西暦725年ごろに大伴旅人、山上憶良、小野老(おののおゆ。いい名前です)、大伴坂上郎女たちが、太宰府で酒を飲んで歌った会があります。これを後世、筑紫歌壇と呼びならわしました。万葉に数十種、撰され…

おれのくーちゃん

おれが、愛知県の地方自治と国政との関わりのことを思っているとくーちゃんが、 「ふにゃーん」 と、ねこタワーの上から声をかけてくれる。 あるいは、気分を変えてキッチンのほうでChromebookを開いていると、(前の晩にブランケットを敷いて差し上げた)PC…

すばらしい古井由吉のよさについて

すばらしい古井由吉のよさについて、ここ1週間ばかり、遅ればせながら、書を買い求め、取り寄せて、しみじみと読み尽くしています。 こんな日もある 競馬徒然草 作者:古井由吉 発売日: 2021/02/16 メディア: Kindle版 10代半ばと20代のころに読んだのを除け…

なぜ本を大切にしてはいけないか

お前らって本という物体に対してだけ異常に過保護じゃない? そもそもは、「もの」と「こと」の対立に遡ります。対立というか、「もの」のほうが(おそらく)より古くて、遥か遠い昔に、《「もの」世界から「こと」世界の引き離しが起きた》といわれます。た…

若い読者のための黄金頭さん案内(1)

黄金頭さんが昨日(2021年2月9日)、「わいせつえんとつの町」を上梓されました。ちょうど彼のこと、そして彼の作品群を、僕もそろそろ本格的にレビューに付していい頃合いではないかと考え、村上春樹「若い読者のための短編小説案内」を繰っているところでし…