illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

糠漬けログ day #0005.5 番外編 オールスターズと手前味噌

2年前に仕込んだお味噌3樽をかきまぜました。

これまでもたまにちょいちょいやっていたんだけど、きょうは糠漬けをクローゼットの奥、味噌樽の隣に寝かせていたので、ついでだってことで、お味噌さんに空気を吸わせました。

f:id:cj3029412:20170210214514j:plain

これまでの糠漬けオールスターズと、整備前川崎球場のグラウンドを上空から見たみたいなの。

2年間、基本、放置。たまに、かきまぜる。大豆、塩、麹、水。だけ。

わが才能にほれぼれする(笑)。みんな、そんなこといってんで、だから呼び名が手前味噌。でも、そう名が付くだけあって、これは江戸っ子は自慢するさあねえ。

糠漬けログ day #0005 きゅうりとなす

うまい。

俺がうまいのではなく、やはりきゅうりとなすの糠漬けはうまいのだ。「うまくできている」「うまい具合に」「いい塩梅に」いろんな形容があるが、しかし言い尽くせぬ。ぽりぽり。

  • 手触り…いい感じでふにゃふにゃ。
  • 匂い…淡い糠の匂いがする。
  • 味…やや塩が強いか。まる1日漬けてるからね。
  • 色合い…ご覧の通り。それから、今回写さなかったけど、きゅうりの断面に「よく漬かってる」感じが表れている。

f:id:cj3029412:20170209194005j:plain

*

話かわるんだけど、「坊ちゃん」が、赤シャツをやっつけて東京に帰ってくるわね。そのあとで街鉄の技手になる。

その夜おれと山嵐はこの不浄な地を離れた。船が岸を去れば去るほどいい心持ちがした。神戸から東京までは直行で新橋へ着いた時は、ようやく娑婆へ出たような気がした。山嵐とはすぐ分れたぎり今日まで逢う機会がない。

 

清の事を話すのを忘れていた。――おれが東京へ着いて下宿へも行かず、革鞄を提げたまま、清や帰ったよと飛び込んだら、あら坊っちゃん、よくまあ、早く帰って来て下さったと涙をぽたぽたと落した。おれもあまり嬉しかったから、もう田舎へは行かない、東京で清とうちを持つんだと云った。

 

その後ある人の周旋で街鉄の技手になった。月給は二十五円で、家賃は六円だ。清は玄関付きの家でなくっても至極満足の様子であったが気の毒な事に今年の二月肺炎に罹かって死んでしまった。死ぬ前日を呼んで坊っちゃん後生だから清が死んだら、坊っちゃんのお寺へ埋めて下さい。お墓のなかで坊っちゃんの来るのを楽しみに待っておりますと云った。だから清の墓は小日向の養源寺にある。

夏目漱石 坊っちゃん

明治39年4月の発表だから、清が亡くなったのはその年の2月とみて、1906年。生年は作中に書かれていないけれど、仮に1835年としたら岩崎弥太郎福沢諭吉土方歳三前島密三島通庸松方正義小松帯刀、そしてめりけんではマーク・トウェイン…と同年代。(いま書いて気づいたんだけど、岩崎、福沢、土方、前島、三島、小松、松方、これみんな-功罪あるにせよ-「明治の精神」を準備した人たちだよね。)

漱石はインテリの極北をいって、でもいやんなっちゃってやっぱり手に職がいいやってんで、でもちょいと1906年当時の刻印ぽい職業、みたいなのをぽんと入れる。うまいなあ。月給30万の家賃7万の谷中あたりの家か。漱石は、生涯、借家だった。

こころ 坊っちゃん (文春文庫―現代日本文学館)

こころ 坊っちゃん (文春文庫―現代日本文学館)

 

*

俺だって、ほんとはばあさんの跡をついで、果樹園を、庭師をやりたかったんだ。(それでいずれ同じ墓に入る。)

墓はともかく、時代相ってやつに煽られて、しょうがなくて勉強したんだけどね。「ばちがあたる」なんて親類には散々いわれるんだが、漬物職人になってみたかった。だって何すればいいか身体でわかるんだもん。漬物樽の色、莚(むしろ)で天日に干していた梅干し、紫蘇、柑橘、唐辛子、大根の葉、皮、柿、漬けあがりのにおい、かき混ぜる手つき、記憶が次々によみがえってくる。 

*

そんなわけで、味わいを深くするために、干ししいたけ、煮干し、昆布、鰹節、鷹の爪を補ってみました。みょうがも投入。「ばちあたり漬け」引き続き、請うご期待。

*

(引き続き、まだ捨て漬けです。ちなみに今日は、5日にいちどの常温発酵の日。冷蔵庫から取り出して、18度くらいの暗所(クローゼットの中)に置いてあげます。)

糠漬けログ day #0004 小松菜とはなちゃん

引き続き、まだ捨て漬けです。

緑を増やそうと思って、小松菜を漬けました。漬け時間24時間。

  • 色は、鮮やかによく出ています。
  • 手触りは、小さいころに食べた白菜に似ている。
  • 匂いは、ほとんど糠のにおいがしない。
  • 歯ごたえは、適度にしゃきしゃき。
  • しかし、肝心の味がピンぼけしている感じ。糠の風味も、塩も、いまいち効いていない。この辺が、奥の深いところかもしれないですね。

f:id:cj3029412:20170208211704j:plain

まあもう少し、気長に熟成を待ってみます。

別段の味対策というわけでなく、損にはならないだろうということで、干ししいたけを追加混ぜ込みしました。それから、糠と塩を9:1の割合で少々。

さらに、機は熟しつつある。きゅうりと、なすを投入。大本命の白菜がその先に控えております。

f:id:cj3029412:20170208220504j:plain

川崎貴子さんが、おふたりの娘さんを眺めながら酒を飲む「娘酒」が至福と記していらっしゃいましたが、僕には「猫漬物」が夜の最高のひとときです。特に、これまでの中では大根がよくマイルドに漬かったかな。

はなちゃんと大根。

なんだか、とてもすばらしい気がする。

糠漬けログ day #0003.5 もふもふ漬け

引き続き、まだ捨て漬けです。

夕べ、今朝用の予約投稿に失敗してすぐに公開してしまったので、特別記事。

はりはり漬けとのあわせ盛りと(はりはり漬けは、ホマレ姉さん id:homare-temujin さんのところね)、

f:id:cj3029412:20170207044706j:plain

登録商標とらなきゃの、もふもふ漬け。

f:id:cj3029412:20170208042630j:plain

これくらい、食卓の野菜の彩が(しかも漬物だと)うれしいぽりぽり。

でも、緑がたりない…。

だから、次は緑。いま、小松菜仕込んでます。明日朝公開予定。

*

きなこさんに、うちのはなちゃんを描いていただいた。うれしいー!

www.kinakoneko.com

(遊んでもらってるところが特にw)ありがとうございます。またぜひどうぞにゃー🐱

糠漬けログ day #0003 赤パプリカ黄パプリカ (捨て漬け)

引き続き、まだ捨て漬けです。

すごい。日々、16時間ごとに8時間ごとに、糠の風味がやわらかく深く変化していきます。赤パプリカと黄パプリカ。黄のほうが先漬けで24時間、赤が後から12時間。

  • 色は、きれいだなあって感じです。
  • 手触りは、ピーマンとは思えないやわらかさ。
  • 匂いは、ほのかに甘い。
  • 歯ごたえは、これはいくらでもいけてしまう。
  • 味も、マイルド。糠の風味が、昨日のまではちょっとぬか独特の風味があったけど、今日のパプリカは、ずいぶん柔らいだ。

f:id:cj3029412:20170207214314j:plain

ちなみにぬか床から取り出して容器に入れておいた残りの人参も、大根も、味が深まっている。糠漬けっぽい(でも糠くさくない)いい匂い。不思議。

なんかね、やばいかも。毎日、漬けるものが出てくる。糠床の手入れも、なんというか、申し訳ない、遺伝子のなせるわざという感じ。俺は漬物職人に向いているのではないか。

そんなわけで、「パプリカの次」として小松菜を漬けました。きゅうりでもよかったのだけれど、なんか、小松菜に呼ばれた。糠を少し足した。それで小松菜の後に、干ししいたけと、塩の補充をしたらいいんじゃないだろうか。

糠漬けログ day #0002 だいこん (捨て漬け)

まだ捨て漬けですが、昨日と比べてたった1日でぬか独特のえぐみが少しまろやかになりました。漬け時間14時間。冷蔵庫です。

  • 色は、大根なのでこんなもんです。
  • 手触りは、やわらかい。
  • 匂いは、人参ほどではありません。
  • 歯ごたえは、ほどよい。
  • 味は、塩味が、これも人参と比べて割と均等にいきわたっている感じ。加えて、よりマイルドな、糠の風味。

f:id:cj3029412:20170206201949j:plain

かなりぽりぽり、つまんでいます。これも当然、一部は、お弁当へ。

だいこんの後は、パプリカを入れました。パプリカのあとは、きゅうり、白菜、アボカドの順を考えています。山芋/長芋もやってみたい。

買い求めたものだとつまらないかもしれませんが、手作りなら、大人にうってつけのおやつになるかと。だいこんの青い部分が、好きです。

糠漬けログ day #0001 にんじん(捨て漬け)

まだ捨て漬けです。漬け時間24時間。冷蔵庫です。

  • 色は、なかなかよく出ています。
  • 手触りは、外側がもちもちっとした感じ。
  • 匂いは、糠の粗さがまだまだ強い。
  • 歯ごたえは、固め。芯が少し残る。
  • 味は、塩味に、ふんわりと糠の風味。

f:id:cj3029412:20170206050725j:plain

捨て漬けですが、当然いただきます。一部は、お弁当へ。

にんじんを取り出した後は、念願の大根を入れました。大根の後は、パプリカ、白菜、アボカドの順を考えています。

大切に育ってくれそうな予感がします。今後、この件は毎朝5:30に更新していきます。#4桁、27年分です(笑)。