少しの外出から帰って
「くーちゃん。ただいま。お留守番無事だった?」
「おなか空いていない? 何か食べる?」
声をかけるのに並行して
くーちゃんが「ふにゃーん」と
おれの足元に寄ってきてくれる
*
ばあさんがまだ元気だったころ
用事から戻るなり
留守を預かるおれに
同じように声をかけてくれた
*
おいしい今川焼きや
さつまいもや
とうもろこしが
おれは何もしていないのに
盆にのって運ばれてきた
*
諸君
ここで話は飛躍するが
以上の構造並びに関係の認識が正しく
比喩が適切であるならば
*
つまりだ
諸君
くーちゃんが
灰になったあとのおれを
季節の折節
思い出してくれる可能性を否定し得ない