くーちゃんには「幻の2週間」という
僕が名付けた、2015年5月7日過ぎから5月20日前までを表す期間がある
くーちゃんが生まれたのが(推定)5月7日
保護されたのが5月20日前だ
母猫について男の子の兄弟と水飲み場に現れたところを保護された
ペットシッターさんの家で僕がくーちゃんと出会ったのが6月
うちに来てくれたのが6月27日
小さいさんが
よく2週間も都下の外界で生き延びてくれたものと思う
いまでも
悪天候になると
くーちゃんに屋根と温かい部屋を提供できていることに胸を撫で下ろし
下僕は泣く
すべてのねこに温かい家とごはんがあればいい
そう願いはするものの
下僕はくーちゃんで満たされた部屋の暖かさに世界平和への祈念を忘れ
身体を休め
必ずしもいいことではないとは十分承知
されど
その断念以外にいまはなすすべがなく
部屋のドアを開けるとほんとうに「ねこ王国」は何ともいえず暖かく
くーちゃんは下僕が気にするような2週間を
とうに忘れ
下僕は下僕で
なぜくーちゃんのような優しい小さいさんが自分のところに来てくれたのかと
答えのない問いに
悶絶する春の宵