illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

私信 琉球大学2009英語英文和訳

昨日は昼間のプールが効いて会議のあと寝てしまいました。

前後を含めて訳してみます。

From a business point of view, successful communication is the foundation of a productive relationship. Within a business alliance, for instance, there should be shared perceptions and shared codes between the executives in order to establish a successful association. (*) The more the executive share ideas regarding not only their business but also each other's philosophy, favorite books, hobbies, etc., the more successful the partnership will be. It is essential for both sides to develop common communication strategies.

仕事の観点で見た場合、コミュニケーションがうまくいっていることが、生産的な関係の何よりの(=the)土台です。仕事上の良好な関係を築くためには、幹部職員間で例えば認識(perceptions)や行動規範(codes)の共有がなされているべきです。(*)仕事の意見にとどまらず、各々の価値観や好きな本や趣味といったことまで幹部職員間で意見の共有(/交換)(**)が進めば進むほど、協力関係はうまくいくでしょう。コミュニケーションで共通性を高める戦略というのは、(協力を行おうとする)双方にとって極めて重要です。

訳出のポイント

  • 構文は、それほど難しくない。頻出、典型です。The 比較級, the 比較級。AすればするほどBになる。
  • むしろここのポイントは(1) philosophyを「哲学」と訳さないことでしょう。好きな本や趣味との対比で哲学は重すぎる。「考え方」くらいでもいいと思います。
  • ポイント(2)は、「要は仕事の話ばかりしていてはダメだよ。それはいつまでたってもビジネスのレイヤー(層)の関係だけ。コミュニケーションの礎はその下、土台のレイヤー。抽象的な言い方をすれば認識や行動規範。具体的には例えば好きな本や趣味。そこを共有しないと」という話の流れがちゃんと見えているかどうかです。

恥を晒します

再受験生氏曰く、

役員らが自分の仕事に関するひらめきだけでなく、互いの哲学や好みの本または趣味に関するひらめきをもっとたくさん共有すればするほど協力関係はより実りあるものになる。

何か、何となくわかるようでピンぼけしていますね。もっと、単語の選定や修飾関係にいい意味でこだわってください。80文字。これ、ツイートでイケダハヤトとかはあちゅうとかから流れてきたら「おいおい、何ふわふわしたこと言ってるんだよ」って思いますよね。それじゃだめなんです。

それ(曖昧さ)も含めて、採点は部分点で削っていくでしょうから、10点の配点なら7-8点くらい。減点の内訳は、ざっと以下の通りです。

意外に厳しいでしょう? この積み上げが、合否を分けるんですね。

  • ▲(-0.5)ひらめき→単に、考え、意見、着想、くらい。「意見交換だけじゃだめだよ」って筆者は言ってます。ビジネスの意見交換は日常茶飯事だからね。それは当たり前。それだけじゃだめだっていうのが文意。「ひらめき」は、発明みたいなときに使うニュアンスであり、そんなに日常的に交換するものじゃないでしょう?
  • ▲(-0.5)哲学→上述。受験技術的には「価値観」という訳語を覚えておくと損はありません。
  • ▲(-0.2)たくさん→不要な訳語。また、やや砕けた表現。
  • ▲(-0.7)実りあるものになる→きちんとwillの意味を出してください(-0.5)。また、「関係が実りあるものになる」と、普通、日本語でいいますか(-0.2)。この話題を知らないおねえちゃんを想定してください。「わからない」と言われると思いませんか。
  • ▲(-0.1)役員ら→複数を「ら」で処理するのは確かにありです。ただこの文脈ではかえって読み手が首をかしげます。役員だけなのか? 何人なのか? 「ら」はベン図で書くと何が含まれ何が含まれないのか? どのみちコミュニケーションは複数(ここではA対Bの二者関係でしょう)で行うものなのでもうちょっとうまい、「ら」を使わない集合名詞をひねり出してください。「役職者」「上役」など。必ずこれまでにどこかで聞いて脳内にストックされているはずです。僕は「幹部職員」が好みです。
  • ▲(-0.5)または→原文にorがないので誤訳です。二択や三択ではなく、例示、列挙です。「XやYや」の「や」ですね。etc.の処理は僕はここでは列挙をとり「といった」で処理しました。
  • ▲(-0.2)each otherは副詞なら「互いに」でしょうが、形容詞句の場合は「各々(自分)の」「銘々の」「各人(が各人)の」とやるべきです。まず、それぞれに、自分の価値観を持ち寄る。次に、それを相互に、開示し、共有、交換する。順序はまず、各人が自分の胸の内から価値観を取り出すのが先です。

ちなみに

  • (**)この「共有」は「交換」としてもいいくらいですね。ただexchangeではないので受験本番では「共有」に留めておいたほうが賢明です。

以上です。