illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

鈴本に寄った(粋曲の柳屋小菊さん、お見事でした)

昨日、上野の鈴本に寄りました。昼ごはんに浅草橋で鮪をいただいたあと、夜に家庭教師があるものですから、間がちょっと空いてしまう。伴った女性とどうしようかという話になって、それなら上野に落語を聞きに行きませんかと。

鈴本に入ったのは、午後3時過ぎのことでした。

1時間聞いて、夕方には埼玉方面に向かわなくてはいけない。聞けるのは、2人か、3人でしょう。

おひとり目は、名前を忘れてしまいました。なかなか、聞かせる腕前だったのだけれど、江戸ことばの「ひ」「し」の混交を力を入れてやっているのが少々、気になりました。

ふたり目が、粋曲の柳屋小菊さんでした。

これはもう、お見事というほかにない。

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粋とか、袖にするとかを絵に描いたような、端歌、都々逸。

しばしば落語には、小唄の師匠に入れあげる若旦那、なんてのが出てきますが、それもむべなるかな。艶っぽい。それでいて、締めるところは、締める。相手にしない。

柔らかい眉が、出番を終えて下がるときに、ある種の厳しさ、やるせなさを湛えて、袖のほうをぐっと見やる。いい表情だな、なんて思ったのが此の日のハイライト。

その次、昼の部トリに出てきたのが玉の輔さん。演目は「藪入り」。藪入りは、私は金馬師匠(三代目)のをずいぶん前に聞いて、そのとぼけた味わい、ところどころ急いたような、自然な「ひ」「し」の混交、巻き舌のr音、これぞ本所江戸っ子と思ってきましたので、まあ、それがベースラインにありまして。

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玉の輔さん、もうちょいだったね。喋りに、松本人志が入っている、あれはいただけない。江戸っ子の舌も、私の知る、江戸っ子は、あんなに力を入れたりしない。

上野駅の改札でお女中を見送って、私は別の線、埼玉に向かったのでありました。