ちょっと拡大しすぎたけど、雰囲気はこんな感じ。
はなちゃん、推定1歳までの日々を、よくそんなに役に立たなさそうなシャーで生き延びて、保護主さんに出会い、僕のところに来てくれたね。
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俺の叔父さん(1920年生まれ)は1946年の春か初夏に満州から本土に戻ってきて、着の身着のまま、命からがら生家にたどり着いたら、見たことのない赤ん坊が母親に抱かれていたそうだ。
「だれだい、これは」
「お前の末の弟だよ」
「こんなんじゃ、ろくに飯食ってないんじゃないか」
叔父さんは引き揚げてからひと月ほどは骨休めをするつもりだったらしい。
それが、赤ん坊を見て、翌日から、どこからか丸太と、薪と、山菜と、麦と、鶏を仕入れて、水を汲み、何もいわずに家の離れを造り始めたそうだ。
そのときの赤ん坊が、俺の父親だ。
はなちゃん、いや、何でもない。寒くないかにゃ。