帰宅した人(主に家人)に「お帰りなさい」。これ「(ようこそ)お帰りなさい(ました)」などと説明されることもありますが、いずれにせよ意味がわからない。帰って来たばかりの人に輪をかけて「帰れ」って。
「ただいま(帰りました)」(いま帰ってきた!)
「お帰りなさい」(なぜ「ようこそ」「ました」を省く成り立ちなのか)
かといって、
「ただいま」
「ようこそ」
これも収まりがよくない。大野晋も触れていなかった気がする。ひとつ解釈があるとしたら、例えば主(あるじ)の帰宅を、家人Aが主に向かっていうと同時に、家人B, C, D...に対して「(ご主人様が)お帰りなさい(ました)」と伝える役割を果たすというもの。
でもやっぱり「ました」を省略するのは他に用例を見ない。例えば、「おやすみなさい」は「ました」の省略ではない。「いただきます」は「ます」を略して「いただき」「いただく」とはいわない。