黄金頭さんのよさが、大変によく表れてます。
- 緑への愛
- 小さきものへの偏愛
- 10歳の男の子のような匂い / 40歳の大人の匂い
- 光を求める行動様式
ふと、思ったことがある。
薄暗いねぐらで寝ころんだまま、携帯電話やメール、チャット、掲示板などのそれぞれの方法で知らせをうけた人々は、まず、驚きとともに覚醒する。夜行性で日の光が苦手なかれらの部屋には昼間でもカーテンが下ろしてあるが、しかし今日は特別な日なのだ。そう自分にいい聞かせると、かれらは意を決して起き上がった。近所の自動販売機まで出て、缶コーラを買うためである。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886329995/episodes/1177354054886330001
黄金頭さんは2002年10月2日に僕がアパートの屋上から見た謎のおどる人々に含まれている可能性が出てきた。
当時、よよんのことはご存じなかったとして、知っている人だけがおどったと僕は書いた覚えはない。「それぞれの方法で知らせをうけた人々は」と、すばらしい反時代精神の持ち主である船橋海神は慎重にことばを選んだつもりだ。
リアルタイムで知っていた人も、あとから知った人も、それ以外で魂が触れた人も、僕の見た淡い光には含まれていた。過去は過去であると同時に、一本の予感の線であった。
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すぐれた文章は、本質的な、生と死の合わい/淡いに、何気ない奇跡の姿をして、立ち現れる。郵便配達人は、その欠片や兆しを、拾い上げたり、つまんで観察したりしながら、少ない読者のもとに届けようとする。
そしてもちろん、郵便配達人にも、まめなタイプと、なげやりなタイプがいる。