15年前に大きな男の子の願った夢が
きょう、小さな男の子の夢のような現実になった
正確には
その夢のような現実のひとつめの足跡だ
おそらく20年後
小さな男の子は大きくて丈夫な男の子となり
ネットの地層を掘り起こしてくれることだろう
そしてその時に
彼はきっと不思議な光景を目にする
20年前の冬の日
見知らぬ人たちが
まだ小さかった男の子の生を
生還を
心から願い祈っていたことを
ひとりは一途な思いのあまりに
老眼とはちがった理由で目をしょぼしょぼさせ
ひねもす仕事が手につかなかったことを
また或る者は
ふしぎな踊りをおどったことを
地層を掘り
志半ばで亡くなった人に祈りを捧げる
それが自分の仕事なのだと
地質学者は思い定めていた
それだけではないのかもしれない
「かつて祈りが埋められた場所」
言い伝わる地層を掘り返す
その時に
専門家として本当はやってはいけない
ことなのだがしかし学者とはいえ人だ
わが祈りを無性に
混ぜて埋め戻してみたくなることが
ないわけじゃない
祈りが
地中深いところで
大きな男の子と小さな男の子の
指先を触れ合わせる
触媒の働きをしてくれたらいい
船橋海神
15:45 手術終わりICU(集中治療室)へ移動。
— CALMIN@12/13TCPC (@CALMIN_PDH) 2017年12月13日
答え合わせは目が覚めてからですが、ひとまず無事に戻ってきました。
ありがとうございました。