すいません、えらい感動しました。
転々と住まい変えても傍らを流れる川がわたくしの川 タンポポ
これ、実にええ御歌なんやけど、タンポポちゅうのがずるいねん。
作者名で歌に奥行きと彩りを添えるかね、しかし。
三十一文字部分でもまったくその通りで、それをふわふわの宙を踊るタンポポが詠む。
甘夏ちゃん id:amanatusauce、あんな、こういう御人を姑にしたらあかんで。ちくちく来るで、ちくちく。
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選評/受賞時には御本名だったのだと思います。しかし、これは、作者タンポポやねんなあ。今となってはそれしか能(よ)う思い浮かばひん。
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ちょっとしたことなんですけどね(松本人志口調)、転々→住まい→変える→傍ら→流れる、と来ますわね、視点、情景、イメージが、この言葉によって運んで行かれる気持ちよさ、ちゅうのが、まずあります。それだけでももうあかん、堪忍な、ちゅうてるのに、ダメ押しに「川」「川」おしまいになって「わたくしの」と来るわけですよ。そいで詠うてるのだれやと気になって、目を転じるとタンポポとある。ふむー!
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音韻も実に巧みにできとる。e(転)-e(転)-u(住)-a(変え)-a(傍)-a(ら)-a(流れ)-a(私)-a(川)と、あたかも、さながら、川が河口に向かってゆるやかに、幅広になっていくように、口をすぼめるeやuの音から、壮大な、明るいa音に転じていく。わいの思うところ、これはたんぽぽ師匠の計算というより、長年の丹精の自然な結実やな。ひとりでに、言葉をそっちのほうに目がけて選ばせるのや。おそらく、ざっと、ざっくり計算して、した挙句、腹括っとるのや。こわいでー。
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わいにはできひん (´;ω;`)
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甘夏ちゃん id:amanatusauce、あんな、こういう御人を姑にしたらあかんで。ちくちく来るで、ちくちく。
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