出版をお祝いし、書籍を求めて感想をツイートをしたところ、お礼をいただいていたんです。僕のツイートは椿本さん (id:tsubakimoto_neko) の記事でも引用していただいているから、ここではわざわざリンクするまでもございませんな。
本、面白くて、お礼もとても素敵で、いつか何かの形でメッセージをと思っていました。
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歌を詠んでみた。
つらつらと椿のもとの物尽くし。ひとり猫のみ花弁に鼻寄せ
品詞分解する。自註だけどおめでたいことだからいいのです。
- つらつらと:副詞。もちろん、「巨勢山(こせやま)のつらつら椿つらつらに見つつ思(しの)はな巨勢の春野を」を踏まえる。本歌取りである。
- 椿:名詞。椿の字は国字。
- の:格助詞
- もと:名詞。椿本さんの「もと」に掛ける。
- の:格助詞
- 物あるいは物尽くし:名詞。古来、日本には物尽くしの伝統があって、枕草子「春は」「山は」云々と、主題を立ててそれはねとやる形式のこと。椿本さんの御本は、この物尽くしの趣きがある。
- ひとり:副詞。「のみ」と呼応する。1人というよりは「ただ」くらいの意味。ですがここでは「ほか(人)はさておき、ねこは」の強意で使いました。
- 猫:名詞。涅子さんに掛ける。
- のみ:限定/強意の副助詞。
- 花弁:名詞。文字数の都合で「かべん」と読んでください。
- に:格助詞
- 鼻寄せ:サ行下2段活用動詞「鼻寄せ」連用形語幹。「て」の省略で余韻を残す。
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訳は次の通り。自註だけどおめでたいことだからいいのです(繰り返した)。
万葉にある「巨勢山のつらつら椿」ではないけれど、椿本さんの手元足元御本には、物尽くしのおもしろい話が連ら連らと、たくさん詰まっています。でも、ねこちゃんは(人とは違って)お話よりも椿の花びらに興味津々、鼻をくんくんさせているみたい。
卒論提出、おめでとうございました。
卒論提出したった\(^o^)/
— 椿本 涅子【本が出たよ!】 (@tsubakimotoneko) 2017年8月21日
そして改めまして、出版おめでとうございます。
(落款が付してある。何者ぞ…)
プロ下僕さん( @nekohanahime )から残暑お見舞いをいただきました🐱ステキー🐱ステキー🐱ありがとうございます🐱
— 椿本 涅子【本が出たよ!】 (@tsubakimotoneko) 2017年8月22日
めっちゃ字が( ゚Д゚)ウマー さらに内容が(゚ν゚)ムズカスィネー 椿と猫がかかりまくってると思うんですが…頑張って解読しますw pic.twitter.com/H0RJW4jUUF
追伸:結句は「ひとり猫のみひらにはな寄せ」も、あったかな。「ひらに」:平伏して。はなびらの「ひら」に掛ける。「はな」:花と鼻を掛ける。
つらつらと椿のもとの物尽くし。ひとり猫のみひらにはな寄せ
ちょっと謎掛けが多い気がして、「花弁に鼻寄せ」を選んだのだけど、「ひらにはな寄せ」のほうがかわいかったね。こういうとこ、まだまだなあ^^;
というわけで、追って「ひらにはな寄せ」版のほうもお届けします。見比べてみてくだされば、幸甚にございます。