まあ、見てくれ。「見てくれを気にする」の見てくれじゃない。
見てほしいんだ。
内容は問わないし、論じないよ。
とにかくね、木村修(全共闘A)の裏側で、「先生」と(間違えて)呼ばれて相好を崩す。実にうれしそうだ。こんな表情の三島はめったに見ることができない。
小坂修平は、阿呆だと思うけれども、かなりフェアに理解している。
すっかり、礼に始まり、頭を下げて礼におわる。マクラ、「暴力反対決議」の件(くだ)り、下手な落語よりよほどおもしろい。
全共闘は頭を下げていないね。
その中にあって、木村修がいいことをいっている。
(三島は)自分が死ぬことを予定してしゃべっていますね。あのときには全く(それに自分=木村は)気がつかない。
それに引き換え、芥正彦はひどいね。
さておき、自決のときの檄文じゃないんだ。こっちだよ。伝わるのは。
わかってて、市ヶ谷で、伝わらないほうを選んだんだろうね。
「聞いてやるよ」
途中で野次/合いの手を入れる全共闘Xがいるけど、あれはよくないな。思想的立場を超えて、サービス精神に対する敬意が感じられない。
俺は思想と方法論は左翼だよ。でも、心情と文学では三島を否定することはできないよ。
かわいそうにね。