illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

「猫の恩返し」みました(DVDで。完全版を)

猫の恩返し」みました(DVDで。完全版を)。

猫の恩返し / ギブリーズ episode2 [DVD]

猫の恩返し / ギブリーズ episode2 [DVD]

 

7歳、小学校2年生のときに学校の帰り道に段ボール箱に布を敷いて子猫が捨てられていたのを見つけました。近くに、サラリーマンをしていた父親が別に行っていた貿易商の事務所があったことを思い出して、箱を抱えてもっていきました。受付のおねえさんに事情を説明して、「ちゃんとお父さんに伝えるからね」といってくれたのを聞いて安心して、バスにのって家へ。

ねこちゃんは、その後、事務所の方の伝手で、どなたかにもらわれていったと聞いた覚えがあります。

35年も前の話だから、猫ちゃんはもうずいぶん前に虹の橋を渡って、いまはのんびり暮らしているはずです。

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2002年、劇場で「猫の恩返し」を見ました。そのときは、たいしていい映画だとは思わなかった。「もののけ姫」のほうがよかったなあ。たたら踏みが出てきたり、正邪とか穢れとか、わかりやすかった。

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でも、いまの感想はまったく違う。「もののけ姫」はたしかに立派な映画だけど、「ああそうですか」と、ふと思ってしまう。「猫の恩返し」、昨晩からのエンディングカットの騒動から、今朝がたDVDを引っ張り出して2度みたのだけれど、やっぱり2度とも同じ場面でぽろぽろ涙がこぼれてくる(笑)。ハルちゃんが、ランドセル背負って、仔猫のユキちゃんにクッキーをあげてお話しするでしょ。エンディングの結び(変な表現だけど)で、うんうんって。

www.huffingtonpost.jp

あの部分をカットするなんてやつが(まさかいないと思うけど)もしいたら、おじさんはストレートに見識を疑う。

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ローマの休日」であり「竹取物語」であり「浦島太郎」であり「シンデレラ」「ハムレット」であるような、猫ちゃんの物語。通過儀礼とか恩返しの物語といってしまうのは簡単だけれど、そうじゃないよね。タイトルが恩返しだからって恩返しの物語って、そんな平板な(ハルちゃん「胸ないのにー!」w)見方だからいらんことして顰蹙かうのや。

むしろ、あんまりスケールが大きくなくて(そこがいい)、トーストとサラダと紅茶のシーンも効いていて、2000年ごろって、あんな感じだったんだなって。

ハルちゃんも、ルーンも、ムタも、ユキちゃんも、みんな自分のことばではなしてる。そのまま大人になれば、きっと幸せになれた(る)はずだよ。バロンは大人だからいいのだ。