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はなちゃん。いまだから話すけれど、君がシェルターで箱の中に身をひそめていたのを見たとき、不思議な感覚が僕を撃った。
嫉妬だ。
君はあのときもうひとりの猫ちゃんと光の差し込まない暗がりの中で、団子を作っていたね。そしてそのもうひとりの猫ちゃんに身体を暖められながら僕にシャーをした。
僕は一刻もはやく君を匿ってしまいたくなった。
わが家に来てくれて、君がそろそろ落ち着いてきたかなというころ、日中不在がちな僕とは別に、遊び相手になってくれる友だちがいてくれたらどんなにいいだろうと思った。友だちを選ぶときに僕は雄猫もいいかもしれないという考えが一瞬頭をよぎり、冬の日に感じた衝撃を思い返して、女の子にすることにした。
くるみちゃん。
キジ白の2ヶ月になる女の子だ。保護主さんによるといまも元気に走り回っているらしい。名前は僕が考えた。
今日の午後に顔を見せてくれる。君たちふたりがまたたく間に連合軍を組んで、ねこ王国の版図を拡大し、たよりない下僕のことを、にゃーにゃーぴーぴー叱咤してくれる日が待ち遠しい。
