01:30
目を覚ます。はなちゃんに会いたくてロフトから1Fに降りる。
01:31
マーケットレポートやら何やら持ち帰りの仕事をする。はなちゃんをちら見する喜びを味わう。前の日に作ったホマレ姉さんのイカワタ大根を赤ワインでつまむ。ああ俺は何て幸せ者なんだ。
01:50
はなちゃんが窓辺からねこタワー伝いに降りて、カーテンを隔てることなく、PCデスクに座る俺と部屋の空間を共有する。初めて。狂喜乱舞すべきところ、はな姫さまに動揺が伝わってはいけないので、じっとこらえる。
01:52
しばし俺のことを見ていたはなちゃん、窓辺のいつもの別荘に戻る。
02:05
そんなこんなが繰り返される。初めの1、2度は心拍数が急増するが、3度、4度と繰り返されるうちに、女心に疎い俺もさすがに事態の本質を察知する。
02:07
はな姫さま、決死の覚悟で俺をかわし、軽やかなステップで梯子からロフトへ。途中、一瞬たちどまり、振り返って俺のほうを眺める。この解釈はもちろんわかっているが、認めるのが辛いので言語化しない。する。「こないでほしいにゃ」「一緒の部屋にいたくないにゃ」辛い。腹を切ろうか。でもブレッドナイフでは痛かろうて。
02:45
仕事が一段落したのでロフトへ上がる。暗がりの中、そっと奥を覗くと、姫さまはベッドの下、壁際に身を潜めていらっしゃる。もしや、これで俺がベッドに寝れば、ご降臨以来はじめての近接になるのではないか。
02:47
静かにベッドに入る。息をひそめる。そのまま寝てしまう。
07:30
起床。ベッドの下を静かに覗き込む。姫がいない。そもそもいらっしゃるかもしれないと思ったのが逆上せ(のぼせ)である。やはり、腹を切るしかないのであろうか。
07:40
もとより腹を切るのは覚悟の上。そのまえにせめて一目お姿を。
07:55
「おはようございます」「寄らないでにゃ」
08:00
下僕が高望みをしてはいけないのだ。いそいそとはな姫さまのお住まいを整える。昨日のナポリタンとフランスパンの残りをいただく。刻んだ玉ねぎが目にしみる。辛い。生きよう。