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起床。ポール・ギャリコ(1889-1976)「猫語の教科書」が届いたので読み始める。ギャリコはアメリカのスポーツライターの草分け的存在で、1920年代にデビュー、ジャック・デンプシーやルースやゲーリッグに取材を行い、数々の名コラムを残した。人間嫌い。猫好き。僕にとっては山際淳司の60年先を行った人物。
私は、薄汚い物書きさ。どうみても、作家って柄じゃない。私は物語を語るのが好きなだけで、私の書いた本はみんなお話を語っているだけだよ。.... もし私が2,000年前に生きてたとしたら、洞窟住居を渡り歩いて、言うんだろうな。『やあ、入っていいか?腹が減っているんだ。食べるものをくれよ。そしたら、代わりに面白い話をしてやるよ。昔々、二匹の猿がいたとさ』といった具合で、彼らに2人の洞窟に住んでたひとの話をしてやるのさ。
「猫語の教科書」は読むことはあるまいと思っていた。ギャリコ像が崩れるのをおそれたためだ。目次は次の通り。
- 編集者のまえがき
- 人間の家をのっとる方法
- 人間ってどういう生き物?
- 猫の持ち物、猫の居場所
- 獣医にかかるとき
- おいしいものを食べるには
- 食卓でのおすそわけ
- 魅惑の表情をつくる
- ドアをどうする?
- クリスマスのおたのしみ
- 旅行におともするコツ
- 母になるということ
- じょうずな話し方
- 猫にとっての正しいマナー
- 愛について
- 別宅を持ってしまったら
- これはしちゃダメ
- じゃまする楽しみ
- 子猫のしつけと子猫の自立
- 終わりに
- 写真家のメモ
- わたしにとっての"猫語の教科書"(大島弓子)
- 作者: ポールギャリコ,スザンヌサース,Paul Gallico,灰島かり
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/12
- メディア: 文庫
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ある賢い雌猫ツィツァの手による「優雅な、あまりに優雅な、人家のっとり作戦」。野暮にならないようにひとことだけ。大島弓子(!)は1995年の秋に、それまで飼っていた愛猫サバとお別れをする。会いたくて会えなくて写真を見ることすらつらくてできない。たまたま同じ年の夏に買ってあった「猫語の教科書」は、それから彼女のバイブルになる。
わたしはツィツァとサバとを重ね合わせていました。毎朝いつもサバがわたしを起こしにきた時刻にこのツィツァの本をながめてすごしました。
そうしているうちわたしはじょじょに元気がでてきました。そしてサバの写真も見ることができるようになりサバの死もマンガで描くことができるようになったのです。
(P.205)
あーごめんなさい出掛ける用事が。ギャリコと大島弓子に触発されてみその話をしようと思ったのに電話が入りました。午後に別立てでみその記事をリリースします。