魅力的な策士・策略家が登場するフィクションを紹介してください… - 人力検索はてな
お呼ばれにあずかり恐縮です。さいきん慣れて書きやすいこちらで書きますすみません。
現代の策士といったらノムさんじゃなくて広岡達朗さん。「ドンケツ」と揶揄されたエンゼルス(スワローズ)の生ぬるい組織と体質をかき回し、説き伏せ、勝つ味を覚えさせ、まとめあげるその力量は、いい意味での策士筆頭。海老沢さんの文章もまた筆舌に尽くしがたい。ほとんどノンフィクションじゃないかって? 虚実の皮膜に投げ込んだ海老沢さんの外角低めの速球の凄さに免じて許して。
拐かされた刀自(このことばからして伝わらぬか)すなわち女主人(これだと雰囲気出ないんだよ)もとい、かわいいおばあちゃん山林王が、誘拐犯を説き伏せ、逃げ隠れる味を覚えさせ、まとめあげ、更生させるその力量は、疑うべくもなき策士。この作品はすばらしい。ほんと。DVDもいいんだけど、北林谷栄美しいし、緒形拳渋いんだけど、やっぱり原作かな。ついでに天藤真作品ぜんぶ読んでくれるとファンとしてうれしい。
作中人物でいったら「サボテンの花」の稲川信一君じゃないかな。弾力的に利用するんだよね。何のことをかはいわん。 泣くぞ。
宮部作品でいえば表題作「返事はいらない」の刑事の小技がたまらない味わい。宮部さんが地元のおいしいお店を伏線に用いたところ、ユーミンの楽曲にかけたところも心地のいい謀略です。
正統派叙述トリックの古典的傑作「鬼畜」。このラスト数行は初めて読んだとき身震いしました。正統すぎて、叙述トリックとは呼ばないのかもしれないけれど、松本清張は紛うことなき策士。「鬼畜」はその高き頂(いただき)。俺はそう思う。 そういえばこれも映画は緒形拳。
金嬉老≒ビートたけしも策士というほかにない。金嬉老事件は金嬉老の著作でなくビートたけしのこのフィルムを見たほうが伝わる気がする。あーこれノンフィクションかごめん。まあビートたけしの存在自体がフィクショナルだしw
謀略史観の呼び声高い傑作。いろいろいわれるけど、眉唾、フィクションと思って読むと本作(上)(下)はいろんな(といってもGHQだけど)策士が登場して、歴史ファンにはたまらないと思います(戦後史に思いを馳せると、ちょっと辛いけど)。
こんなところかな。こちらからは以上です。ご一読多謝。