illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

2014-01-01から1年間の記事一覧

俺は川崎貴子よりも

俺は川崎貴子よりもおいしいご飯を食べさせてくれる人のが好き。 アラサーの選択「大人の女道」 | @ninoya_blog アラサーの選択「大人の女道」 | @ninoya_blog 川崎貴子さんいつもすばらしいけど腹減ったらバターナッツかぼちゃ食わせてくれるのかしらん。 …

料理上手は60年の豊作であるとか/鶏を絞める話

わが家ではオイルショック(1973)の前までは養鶏をやっていた。73年の後もほそぼそと続けていたが第二次(1979)で完全に手を引いた。理由は飼料高である。養鶏は利益率が低い(これは卵は物価の優等生、を裏から見た図になる)。それでも往時には3,000羽を…

晦日(つごもり)の餅米がうまい件

もち米を炊く、もとい蒸す話をしたくなった。冬が近いからであろうか。 わが家では12月29日か30日に納屋の前で餅つきをする習慣があった。 初めに断っておけば、餅つきとは臼と杵で餅をつくだけではないのである。それからもち米は炊くのではなく蒸すのであ…

一本杉球場にて/「歴史を感じる場所」 #地元発見伝

「歴史を感じる場所」 #地元発見伝 多摩市, 東京都 地元の魅力を発見しよう!特別企画「地元発見伝」 海外で仕事をしていた時期があった。戻ってくると家さがしである。実家が都心には通いきれないところにあるため、成田から安いビジネスホテルに直行し、そ…

オフコース×山際淳司/クールでアンニュイな解散劇(1982)

82'オフコース インタビュー - YouTube 良くも、悪しくも、しりきれトンボであったと思う。いつまでつづけようが、あるいはいつ解散しようが、第三者があれこれとコメントすべきものではないと思うし、どうでもいいことだとも思うが、オフコースというグルー…

1961年10月29日は肉の日ではなくスタンカ記念日/君は円城寺を知っているか

西本幸雄と青田昇が史上最高の外国人選手は誰かという話をしている(われながら何という導入だ)。 西本「オレはスペンサー、マニエルだと思う」 青田「それはもう、スペンサーやわ」 文藝春秋『Number』173号(1987/6)「最強の助っ人は誰だ!」P.36 初秋 (…

昭和野武士古武士/むかしの選手の遊び方について

「なぜ、前借りが必要かというと、遊びですね。じつによく遊んだ。中洲で飲んでいるでしょう。ファンが集まってくる。そうすると、ファンが飲んだ分まで選手が払う。今とはちがいますね。今は、おごってくれそうな人としか酒を飲まないでしょう。昔は逆だっ…

金玉医者の/皮膜のごとき/長い話―なぜ白血病マネージャー「ゆっこ」がいかんのか

金玉医者 立川談志 - YouTube 2002年2月20日は(いま改めてこうしてみると記念碑のような美しい並びをしている)その男の子がその場所に降り立ったときの日付である。 男の子は病気にかかっていた。とてもむずかしい病気だ。 そこに、心を病んだひとりの医師…

ジーン・バッキー、ノーヒットノーランを語る(「Number」270号)

「Number」270号(1991/7)はタイガース特集である。昔のNumberはときおりタイガース特集を組んでいたから、嫌いなりに愛想を尽かす気になれなかった。この号も相当に気合が入っている。この前は長い記事を書いた。今回は短く1点だけ紹介する。 ―なるほどね…

うちの爺さんが創価学会に「うるさい」ほか5原則で折伏を押しのけた話/秋の新興宗教

今週のお題「秋の新○○」 ここ半月のあいだに2人の方から「旦那の弟の初めてできた恋人が」「結婚を考えている彼女が」『創価学会だと打ち明けてきたんだけれどどうしよう』という相談を受けた。 * むかし日本には「主義者」ということばがあって、平たくいえ…

児玉隆也のこと/上川でもゆういでもない件

児玉隆也の話をしたい。 ひところは気の利いた書店の「ノンフィクション」コーナーには児玉隆也の文庫本が静かに並んでいた。夭逝の作家でもあり冊数はわずかだが、「スポーツ」からノンフィクションに目を転じ、沢木耕太郎や後藤正治や佐野眞一にへどもどし…

冬空から見える風景/京大ギャングスターズと藤田俊宏さんについて

秋になり冬が近づくと読みたくなる短編がある。たとえば藤沢周平の「玄鳥」。北村薫「空飛ぶ馬」。池波正太郎「正月四日の客」。原秀則「冬物語」(シェークスピアではない)。増田戻樹/あかね創作絵本「オコジョのすむ谷」。 オコジョのすむ谷 (あかね創作…

もは惜しくものも/Yahoo! スポーツ テキスト速報は「も」の濫用をやめてくれないか

アブストラクト Yahoo!スポーツ テキスト速報は「も」の濫用をやめてくれないか。意味がなく、想像力の自由な発動を妨げる。もっとも、Yahoo! も悪いがドラマを求める俺たちにもつけ込まれる非はある。これからは淡い言葉遣いのものを好んで読み、球場に足を…

ボックスに入り、マウンドに立つこと/1989年ドラフトの2人の選手について

山際(淳司)さんは取材対象や主題として取り上げた人物のことをまず絶対に悪くいわない。悪くいわないというよりどのような対象でも取材して扱う以上は「やさしく包もうとする」のが基本である。 山際淳司という人は、まず人のことを悪く言わないんですよ。…

那須日光宇都宮餃子に飽きた俺たちのために/「記憶に残る風景」 #地元発見伝

「記憶に残る風景」 #地元発見伝 那珂川町, 栃木県県道52号線 地元の魅力を発見しよう!特別企画「地元発見伝」 前段 那須日光には飽きた。餃子も食いたくない。しもつかれは無理。 馬頭という土地柄 栃木県の日光の反対側、八溝山地のほうに馬頭町というと…

才能と友情の近代的逆説/78年ドラフト江川事件の補助線

1980年 江川卓 小林繁と初対決 - YouTube 皮肉や逆説ではなくて、江川卓は野球の女神から試練を与えられた人だと思う。 才能があるのに彼は心から野球というスポーツを楽しんでいないように見える。江川が60個の三振を奪った73年春の大会の最中に僕は生まれ…

「問題意識」ノンフィクションの行方/沢木耕太郎の仕事の意味

汝の嫌うものに全力で従うがいいと教唆したのは三島由紀夫である。これから沢木耕太郎批判を進めるためには大沢たかおの笑顔から初めなければなるまい。大沢たかおは嫌いではない。嫌いなのは沢木である。 大沢たかお劇的紀行 深夜特急'96熱風 アジア編…

永田雅一と西本幸雄の攻防(1960)をめぐる断章

今週のお題「運動会とスポーツの秋」 運動会のイベントで思い出にのこることといえばフォークダンスで好きな女の子の手を握り交わすこと…ではない。それもそうだがそんな話はここではするものか。 昼食休憩時に地面が長く揺れた。会場は騒然となり、拡声器か…

いつものやさぐれノンフィクション論とは別の話

今週のお題「憧れの人」 少し時間があるので今日はいつもの「やさぐれスポーツ・ノンフィクション論」とは別の話を書く。口調は同じツンデレ調だが気持ちは違う。でもツンデレである。 僕(1973-)はオイルショックの年に生まれた。厚生労働省が1980年頃の食…

それはある日やってきた/ファウルズとレロン・リーのこと

【探偵!ナイトスクープ】魔球はプロ野球選手に通用するか? - YouTube 「探偵!ナイトスクープ」の「魔球はプロ野球選手に通用するか」の回を見て頬が思い切り緩んだ…勢いで、少し昔の夢のような話を思い出したので紹介したい。平出隆の「リロン・リー、ファ…

山際淳司のノンフィクションで打線組んだったw

タイトルは2ch風だす。「江夏の21球」以外の知られざる山際ワールドへ誘いたいと思います。3番最強打者説。2番にも強打者(西鉄三原脩/流線型打線)を。 1.(三)「天才」長島茂雄 2.(右/殴/逃)「正方形の荒野」青木勝利 3.(遊/漕)「たった一人のオ…

沢村悠子の恋

すばらしいものを読んだ。虫明亜呂無(むしあけあろむ。本名。1923-1991)「風よりつらき」である。沢村悠子と聞いて映画「空の境界」(河北麻友子)を想起した方は縁がないので、残念ではあるがここでさようならである。 さて、玉木正之が「私が日本で初め…

9auoyd!(タイトルのみ)

トピック「iPhone6」について 9auoyd! 回転させて無理するとiPhone6に見え…さすがに無理がありすぎるな。(トピックに乗りたかっただけ/以上です)

ある老遊撃手の愛にまつわる誤解/30年目の広岡達朗試論

広岡(達朗)さんが同じことをいっている。 そう思いながら日刊ゲンダイの記事を読んでいた。ちなみにいえば、ゲンダイをまじめに読んだのは「止まり木ブルース」と「やる気まんまん」以来である(それらが何であるかについては、検索してわかったとしてもど…

「逃げろ、ボクサー」のこと/八重樫東選手のファイトに寄せて

八重樫東のバウトを数日おくれで見た。 いい殴り合いだった。 八重樫と、対戦相手の「ロマゴン」ことローマン・ゴンザレスのファイト後の表情がほとんどのことを物語っている。八重樫の、戦い終えたあとの「やられちゃったよ」という、放心とはにかみが入り…

紳士的な獣の話

ジャイアンツの元エースで監督としてもすぐれた成績を残した藤田元司といえば、細身のシルエットと、いかにも慶応という紳士的で柔和な表情と笑顔で知られる。 そして彼のそうした表情はときに勝負師にはふさわしくない甘さと映ることもある。 試合は大田の…

War Is Over 戦争は終わった

金田(正泰。引用者注)には一つ、思い出がある。 戦後、間もないころである。タイガースは札幌に試合をしに行った。金田も、もちろんそのナインに入っている。 その札幌で金田はカイザー(田中。引用者注)に会った。カイザーは占領軍の仕事をしているとい…

スポーツノンフィクション書迷が100の質問に答えてみるよ

トピック「本好き」について =直観で答えてみました= 001. 本が好きな理由を教えてください。子供のころのバス通学、暇つぶしのつもりが病膏肓に入ったらしい 002. 記憶に残っているなかで、最も幼い頃に読んだ本は?ディック・ブルーナ「うさこちゃんのた…

ノーアウト1塁2塁の光芒(海老沢泰久さんの命日に寄せて)

1950年にうまれた海老沢泰久が10代のおわりに上京したときの心象風景を、およそ10年後に振り返って次のように記している。 ぼくは茨城県の田舎で生まれ、1960年代の終りに常磐線に乗って江戸川を渡り、東京に出てきた。私立大学に合格したというだけで、その…

もうひとつの「たった一人のオリンピック」

突然ですが、山際淳司「たった一人のオリンピック」には実は2版あるという話をします。5分ほどお付き合いください。 * 1980年のモスクワ五輪、シングルスカル競技の日本代表に選ばれた津田真男さん(当時27歳)は、日本を含む西側陣営の参加ボイコットに翻弄さ…