おれはいま正直どうしていいのかわからないでいる。
増田に書けという話である。うるせえ馬鹿野郎。増田に書いたらおれは「何で自分のブログでやらないのか」と書くはずだ。それが VIPPER の務めである。
くそう。
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「そうこうしているうちに結婚が決まりました」
という、おれの現代日本語口語のはるか上をいくメッセージを、先だってお嬢から、もらった。
おれはその瞬間から事態に遅れており、思わず太宰(人間失格)を読み直したり、稲垣潤一を聞いたり、さままざな対処を試みているのだが、状況は変わらない。
うるせえ馬鹿野郎。てめえら金髪豚野郎の批判でもしてやがれ。
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いま、やっとの思いで、はなちゃんと、くーちゃんと、みーちゃんに、「○○ちゃん、結婚が決まったって」と伝えたところだ。シャーと返された。はなちゃんめ。
くそう。
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おれはお嬢を1998-9年、小学3-4年生のころから知っている。それから2-3年にわたって知っていた。知っていたつもりだった。別れた妻の最愛の姪で、沖縄旅行にお連れしたりもした。確か、おれは2000年に結婚し、2001年の5月14日に練馬区役所に離婚届を提出した。
その、一切の非はおれにある。具体的にここに書くのは憚られる。すまない。お嬢は、経緯を知っていて、おれと会っても何ひとつ知らない振りをしてくれた。
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おれがお嬢のことを思い出したのは、震災の当日夜、夜半、深夜である。あるいは翌日である。312にメールを送ろうとして、思いとどまっている。その形跡がBecky!にある。
おれはなぜかそのとき、お嬢のことを思い出した。生まれたときから心臓が弱くて、手術をして、いくつかの社会的差別や選別に合い、それでも賢い子で、アルゼンチンの現地校に通ったときには新婚旅行という体で、おれたちは学校を訪問し、歓待を受けた。
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やさしい子だった。まだ、携帯がスマホに変わるか変わらないかのころに、おれの端末を覗き込んでくれて「何をメールしているの」と訊いてくれた。沖縄恩納村に3人で旅行中で、それは翻訳の進捗を(厳しく)尋ねるメールで先方の口調も荒れていたから、おれは思わずクラム(二枚貝)を閉じた。おれは妻から、
「何を○○ちゃんに隠しごとをしているの」
と詰問を受けた。そして閉口した。読者諸兄には、熟語的意味と、実動的意味の両方であることをお察しいただきたい。
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震災の後に話を戻す。
おれはお嬢がまだ小学生か中学生のままでいると思っていた。おれは何よりもまず都心へと向かう北風が吹いたときに、お嬢を西へと逃さなくてはと思った。
「ランドセルに、教科書はいいから、あるだけの着替えと身の回りの品と物資を詰め込んで、山梨か、できればそれより西に向かったほうがいい」
とおれはメールをした。
必死の思いでアドレスを思い出した。後にわかったのだが、それは、お嬢もあと1週間ほどで解約しようと思っていたbiglobeのアドレスだった。
「いまはもう、大学生ですよ」
それが彼女の返信の第一声だった。
「ごめん」
とおれは謝った。
「まだ、△△(おれ)くんの中では私はランドセルを背負っているんですね」
お嬢は、笑って、そんなふうに返してくれる子だった。
いま気づいたが、おれは2011年当時から負けており、精神的な成長を重ねていないのではないか?
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2011年当時はまだ北関東の実家におり、その後モスクワ駐在を経て、2014年に東京に戻ってきた。そのころ、風来坊のおれにも、何となく、ねこがいると生が変わるのではないかという予感があって、
「ねこちゃんをもらおうと思うんだ」
とぼそっと尋ねたら(駐在の見送りにも、戻りにも、わざわざ西船橋まで来てくれたのである)、
「おおー」
といって賛成、賛同してくれた。ウェブ(ねこじるしなど)でちょうど検索して出会ったのが、はなちゃんで、お嬢は、はなちゃんの紹介写真を見るなり、
「はなちゃん」
とメッセンジャーをくれた。だから1人目にはなちゃんをお迎えした。おれは、くーちゃんが第一だが(すまない)、だからお嬢にとっては、はなちゃんが以来ずっと、お仕えするねこちゃんの筆頭にいるのではないかと思う。
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2001年に、母を送り、離婚をし、2011年までの間は辛うじて、よよん君に生をつないでもらった。2011年からは、おれはよよん君と、お嬢と、ねこちゃんたちに生をつないでもらった。
おれの半生は、まるで、防御率のいい中継ぎ陣で辛うじてゲームを成り立たせている阪神タイガースみたいだ。
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これ以上、思念を掘り下げるのは祝席に似つかわしくない。おれは今日、運転免許のうっかり失効の更新と、少し前から始めている「百万円たまる貯金箱」の小銭の預金に、海浜幕張方面に出向いた。
これから毎月、お嬢の口座に振り込むのである。
本来は、「ごつい」おれの生命保険の受取人をお嬢にする算段があるべきだった。今日も、東京三菱の窓口で何とかならんのかと掛け合ったが無駄だった。
無駄を知っていても、じたばたと掛け合わなくてはならないことがあるのである、諸君。うるせえ馬鹿野郎。
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「(川崎方面に新居を構える)これからは、はなちゃん、くーちゃん、みーちゃんに会いに行く機会がいままでよりも少なくなりそうです。それでも、何とか時間をとって会いに行こうと思います」
お嬢のメッセージの末尾には、そう添えてあった。
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結論は、簡単だ。
おまえらどんなきれいごとを並べようが離婚したら妻の家からは所払い、出禁よ。/ おれの父親は妻に「いつでも連絡くれたら力になるから」とほざきやがった。だからまた殴り合いです。(2019年8月、船橋海神、お嬢に幸あれ。不幸はおれの側に)
— nekohanahime (@nekohanahime) August 5, 2019
不幸はおれの側に。
黒塗りの高級車は今後、一切合切おれのところに来るだろう。