illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

巨人と猫(おれのくーちゃん)

断熱シートをフルに使ってロフトの居住性が格段に上がった。

その、ロフトで寝ていると、くーちゃんが来てくれた。おれはベッドに寝転んでいる。くーちゃんは、ベッド下、足下のお気に入りの「ダンボール鍋」に。おれは手を伸ばしてくーちゃんを撫でる。

くーちゃんは気持ちよさそうに伸びをして、お腹を見せてくれた。

少し身をよじったので、その姿勢からどうにか安定を得、維持しなくてはならない。落ちてくーちゃんを驚かせたり、万一のことがあったりしては以ての外だ。その緊張がおれに思惟をもたらしたのだろう。

「おれだったら」と、伸ばした手のまま思った――体重比で10倍以上もある巨人と同居して、背や額を撫でられて喜ぶだろうか。おれの性格からして、まず撫でさせまい(はなちゃんは、正しい)。それが、喜ぶとしたら。条件は何か。

思いのほか、悪くない想像だった。「ふきゅ」と、くーちゃんが小声でおれに何かを伝えようとしてくれていた。