illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

くーちゃん(痛風で会社を休んでいます)

痛風は痛いです。28で発症して15年以上の付き合いになります。長野の山に登り(よせばいいのに)新島々という山の麓、梓川沿いの謎地名の駅で足の痛みがどうにも耐えられなくなり、地元(といっても遠かった)病院で「骨折でしょうか?」と恐る恐る尋ねたところ、先生笑いながら「ここでしょう?」「ここは?」「昨夜ビールは?」。

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必ず、旅を終えて帰宅したら近くの大きな病院、整形外科か内科になるかは病院によってわからないけれど、「痛風」「8.6でした」と伝えるようにといわれ、這々の体で当時暮らしていた練馬にたどり着いたのでした。

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以来、2年に1回ペースで大きな発作を賜っております。前回は船橋の大きな病院に救急車で搬送されました。申し訳ございません。今回、すなわち昨晩は、耐えた。耐えることができた。冷蔵庫にかろうじて1箱中身2粒残されていたイブプロフェンを祈りながら噛み、飲み下し、くーちゃんが遠巻きに不思議そうな顔をして見守ってくれている。ときどきこちらに歩んできてくれるので、撫で、ねこ様を通じて何か大きなものに謝り、しかしかつてとは違って、思わず笑顔がこぼれてしまう。

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右足の踝(くるぶし)と親指の付け根は、毛布1枚がふわっと乗っても激痛が走る。くーちゃんが一緒に寝たがっているので、くーちゃんを毛布の内側、お腹の隣に寄せ、右足の角度を工夫。効き始めたイブプロフェンにすがるようにして、意識を落とした。午前1時から3時半までの、長い長い2時間半。

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5時半に起き、6時半に会社にメールを送って、病院には行くことができない。足が痛むから。水をたっぷり飲んで、腹は減らず、くーちゃんは僕が会社に行かないと悟ると、いつもの朝の、出かける前の甘えのポーズからひらりと身を起こし、ロフトへと駆け上がっていったのでした。