illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

みーちゃんのこと

みーちゃんは三女です。

はなちゃん、くーちゃん(くるみちゃん)、みーちゃん(このみちゃん)。日本語の古音はa, u, oらしいことがわかっています。うちは実家が果樹園もやっていたので、花が咲いて実がなるものが好きです(昨今は多くの方が忘れがちなようですが、昔からの名前のほうが長く見た場合にきらきらします)。

みーちゃんとは、僕がお世話になっている譲渡会で2016年10月に出会いました。

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譲渡会のケージの中でやさぐれていました。「外に出られないのでふてくされているのよ」と、保護主でもある譲渡会のメンバーさんは僕に教えてくれました。その、ふてくされている様子がかわいかったので、僕はみーちゃんを引き受けることにしました。

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平たくいえば、みーちゃんはストーカー的なところがあります(笑)。遊びたいときにはしきりに、僕に「遊んで」とせがんでくる。遊ばないときでも、猫タワーや、PCデスク足元近くのダンボールの丼に寝そべって、僕との距離を絶えず測りながら気配を感じている。

みーちゃんは僕の前に、いちど、譲渡会でもらわれていった先から、戻された経緯があります。その理由はわりあい想像がついて、かなりしつこかったのだと思う。もう、すごいから。アピールが。かといって、ヒトが撫でたくて撫でさせてもらうと、みーちゃん自身の気分が乗らないときには、きっぱりとはねのけてくる。

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もうひとつ要因があって、それは、くーちゃんとの関係です。

おそらく、みーちゃんは自分が、くーちゃんの「次」の存在であるかのように感じている。

いや、おれ順番つけてないよ。弁明させてくれ。司法取引にだって応じよう。

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確かに、おれはくーちゃんが好きだ。おれのくーちゃんである。ひいきしているわけじゃないんだ。違うんだ。まあ聞いてくれ。あのな、くーちゃんを避妊手術に出した。その是非の思想的決着がまだついていない。おれはくーちゃんのもっとも基本的な幸福追求権あるいは自己決定権の源を奪った。どんな理由があれ奪った事実は変わらない。ふつうなら即座に腹を切ってしぬだろう? おれが生き永らえてているのは、いわば次善の策だ。次善の策に精一杯の義を尽くし、殉じるのが武士の嗜みではないのか。くーちゃん (´;ω;`)

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はなちゃんと、みーちゃんは、おれがお世話係になったときにすでに避妊手術を終えていた。いや、だから差をつけるというのではない。そうじゃない。弁明させてくれ。司法取引に応じるから。あのな、くーちゃんはかわいいんだよ (´;ω;`)

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くーちゃんは、静かに、おれの時間と空間を専有しようとする。対してみーちゃんは、動的に、おれの時間と空間を専有する。具体的には、ゆうべ3時ごろに、胃のあたりにトランポリン選手を感じた。「うぉ」って起き上がろうとしたら、みーちゃんがおれを見下ろしていた。トランポリン選手はそのまま降りたり登ったり。くーちゃんはその間ロフトでいつものように寛いでいただろう。

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初めは少々重さを感じていたみーちゃんのコミュニケーションも、それが愛情だと確かに感じられるようになり、おれは、みーちゃんをかけがえのない存在に感じるようになった。端的にいえばみーちゃんがいなくなったらおれは船橋の路上で野垂れるだろう。

白状すればついこのあいだみーちゃんがガラス戸の合間からベランダに顔を覗かせていたのを寸でのところで後ろから押さえて激しく噛まれた。みーちゃんはびっくりして室内に、ロフトに戻って怯えた様子を見せた。外に出ていくのでなくてほんとうによかった。

おれは泣いた。泣いてみーちゃんにお詫びをした。そしてくーちゃんに慰めてもらった。気配を察したくーちゃんにも少しパニックが移っていた。

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きっと、独占欲も、支配欲も、自己主張も強いタイプ。けれど最近は、自己主張が薄れてきたようにも見える。みーちゃんが、居場所を見つけて安心してくれるようになったのなら、下僕、それにまさる喜びはない。

みーちゃん。

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夜も(土日の)昼も、ソファの稜線からおれを見守ってくれるみーちゃん。日に日に、美しくなっている気がする(もとからの資質に加え、おれが1日100回くらい「かわいいね」っていっている効果に違いあるまい)。