こわーw
[原文]
遠州見附の宿、夜泣き婆。
その家に憂いあらんとする時、この化け物、門口に来たり、泣きけるとなり。
人、また、その声を聞いて思わず涙をこぼしけるとぞ。
かかる事、二・三度に及びて、その家に必ず憂い事有りしとなり。
[品詞分解]
- 遠州見附(名詞。地名「怨讐見付け」のもじりか。怖い…w)
- の(格助詞)
- 宿(宿)
- 夜泣き婆(名詞)
- その(連体詞)
- 家(名詞)
- に(格助詞)
- 憂い(名詞)
- あら(ラ行変格活用動詞あり未然形)
- ん(未来の助動詞む終止形)
- と(接続助詞)
- する(サ行変格活用動詞す連体形)
- 時(名詞)
- この(格助詞)
- 化物(名詞)
- 門口(名詞)
- に(格助詞)
- 来(カ行変格活用動詞来連用形)
- たり(完了の助動詞たり終止形)
- 泣き(カ行四段活用動詞(´;ω;`)連用形)
- ける(伝聞過去の助動詞けり連体形)
- と(格助詞。引用)
- なり(伝聞の助動詞なり終止形)
- 人(名詞)
- また(副詞)
- その(連体詞)
- 声(名詞)
- を(格助詞)
- 聞い(カ行四段活用動詞聞く連用形)
- て(接続助詞順接)
- 思わず(副詞)(ハ行四段活用動詞思ふ未然形音便)+(打消の助動詞)
- 涙(名詞)
- を(格助詞)
- こぼし(サ行四段活用動詞こぼす連用形)
- ける(伝聞過去の助動詞けり終止形)
- と(格助詞。引用)
- ぞ(係助詞。強意。係り結びを作る)
- かかる(連体詞)
- 事(名詞)
- 二三度(名詞)
- に(格助詞)
- 及び(バ行四段活用動詞及ぶ連用形)
- て(接続助詞)
- その(連体詞)
- 家(名詞)
- に(格助詞)
- 必ず(副詞)
- 憂い事(名詞)
- 有り(ラ行変格活用動詞あり連用形)
- し(過去助動詞「き」連体形。強意)
- と(格助詞。引用)
- なり(伝聞推量の助動詞なり終止形)
品詞分解を行ったことで訳の見通しがよくなり、よりいっそう怖くなりましたね。なっていない? なら仕方ない。訳しますw
[和訳]
怨讐見付けの夜泣き婆の話[遠州昔話]
ある家に不幸がまさにこれから起きようとするとき、この化物が家の前にやってきて泣くのだそうです。その泣き声(の悲しさ)は、家人が聞くと思わず涙をこぼしてしまうほどだとか。
そして、そのようなことが二度三度に及んだ家には、実際に何らかの不幸が必ず起きたらしいのです。
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北見花芽 (id:KihiminHamame) さん、ごめんなさいっ! ここまでやることはないのだけれど、非常にその、細かい部分で特に助動詞が工夫された原文でしたので、つい解釈欲がわいてしまいましたw