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illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

イッセー尾形の井上筑後はみてみたい

すばらしいものを読んだ。

machinaka.hatenablog.com

小説家遠藤周作から入った自分(そしてプロテスタントを捨てた身)とすれば、イッセー尾形の井上筑後はみてみたい。ロドリゴに、この国にキリスト教は無理よと説くのね。その筑後自身がかつてはキリスト者だった。俺か。

井上政重 - Wikipedia

yasuraoka.cocolog-nifty.com

最近「俺か」を読んだ気がする。

goldhead.hatenablog.com

関内先生にはあとでトマト煮か何かをお送りして放置しておこう。(いや、すばらしいよ。関内先生は、車谷長吉に化ける可能性があるよ。だから俺は酒を控えて長生きしなされと申し上げておる。)

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閑話休題

id:Machinakaさんのレビュー、ほかのもざっと読んだんだけど、すばらしいよ。細けえことはいいんだよ。このレビュー読んだら、見てみたいと思うじゃん。

サイレントマジョリティの寓話としての「沈黙」は、たしかになるほどと思わせる。キチジロー解釈も秀逸。失礼ながら、id:Machinakaさんはキリスト者じゃないよね。でも、その通りだよね。そして、そこに遠藤カトリック最大の問題があると俺は思ってきた。キリスト者にだって、強いのも弱いのもいるんだ。小説家遠藤周作は弱い側を突き進む。そのイエス像には、カトリックから批判がしばしば寄せられた。

沈黙 (遠藤周作) - Wikipedia

ついでにいえば、遠藤周作は、家庭人としては相当に歪んでるぜ。暴力こそふるわなかったかもしれないが、生活者あるいは家父長としてのエゴの強烈さは、井上DVひさしに比肩するくらいだ(俺説)。

遠藤周作 - Wikipedia

同伴者イエスの同じ軌軸が、甘えのほうに寄ったのではないかな(これも俺説)。一般論としてイエスは赦すかもしれない。だが、実生活上で個々に具体的に許すのは、義父、友人知人、編集者、配偶者、子(意図して赦すと許すを使い分けてみた)。そこんとこが、気に入らんのよ。キリスト教が同時代のほかの連中よりも多少は理解でき(たつもりになっ)て、小説が書ければ、いいのかね。

だめだよ。

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そんなわけで、俺の最大の勝手な注目は、イッセー尾形の井上筑後

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関心のある人はあんまりいないと思うんだけど、遠藤周作以後のキリシタン小説で、これはまずまずと思う作品が1点あるので紹介する。

青い空〈上〉―幕末キリシタン類族伝 (文春文庫)

青い空〈上〉―幕末キリシタン類族伝 (文春文庫)

 

 

俺が海老沢を好む―もはや信奉に近い―からかもしれないけど、これは、いいよ。海老沢はおそらく間違いなく遠藤「沈黙」を意識している。他の、スポーツノンフィクションに比べて、正直、味は劣る。構成も、不意に海老沢説が出てきたりして、最晩年という年齢的なものもあるのかな、小説として昇華しきれていないところはある。しかし少なくとも、海老沢という男は、何を契機にして愛を得るのか、彼に通底するものが、俺には腑に落ちた。

関連して、ついでにもう1作だけ。

ヴェテラン (文春文庫)

ヴェテラン (文春文庫)

 

これの、西本聖(「嫌われた男」)と、高橋慶彦のとこ(「秋の憂鬱」)だけ、送料込み300円しないで買えるから、騙されたとおもって読んでみてよ。野球に殉じて、へそを曲げて、戦うんだ。特に慶彦。沈黙しそうにない(笑)。

遠藤は、連作「イエスの生涯」「キリストの誕生」で、あれこれ語るのだけれど、平たくいえば、「ええかっこしすぎ」。みんながみんな、傘の庇護の下で転んだり同伴されたりしながらよたよた歩くわけじゃないんだぜ。赦されなくて、大いに結構。結構毛だらけ猫灰だらけ。ねこちゃんは俺が守る。

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話が飛んでしまった。id:Machinaka さんのレビューに触発されて、俺はこの映画を見に行くつもり。いいものを読ませていただいた。かたじけない。ありがとう。そしてくどいようだけれど、俺の注目は、イッセー尾形の井上筑後。窪塚? 怖いもの、みたさかな。怖いw