くーちゃん、あのね
くーちゃんが「ふにゃふにゃ」いうたびに
それが何を伝えようとしているのか
下僕には何となく、わかるようになりました
ふにゃあ
おはようのあいさつ
どこかに出かけてしまうのの顔
階段を上がる音がして
だれか来たと思ったら下僕ちゃんだったにゃ
すりすり
ご飯がおそいにゃー
パソコンに向かっていないであそぼうよ
そのまっさーじはあんまりじょうずじゃにゃいにゃー
下僕ちゃんは寝てるけど
くーは遊びたい
だからぴょんぴょん
おふとんにいれてにゃ
しっぽさんをふりふり
あのね、くーちゃん
ヒトのおんなのこが何かをいうたびに
それが何を伝えようとしているのか
実は俺にはよくわからないんだ
はなちゃんとはあんまりお話ししないけど
何を伝えようとしているのか
少しはわかるつもり
「シャー」
はなちゃんは俺のことが嫌い
まあいいさ
話はしなくても
いつもご飯の順番をゆずって
毛づくろいをしてあげる
はなちゃんのやさしさを
俺はいつだって見ている
「シャー」
野暮がお嫌い
実は、俺も
あのね、はなちゃん
くーちゃん
いつの日か
青い空に
虹を見にいこう
(ハーネスはつけるよ)
キャンプをして
とびきりの鶏ささを食べ
水辺で
木のふもとで
お昼寝をする
「びっくりしたにゃー」
「ふにゃふにゃ」
君たちはそんなふうに
これからも俺の生をつないでくれるだろう
「ねこちゃんを覗き込むとき、ねこちゃんもまたこちらを覗いているのだ」
わるくない科白だ