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illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

猫は大差のない模様

タイトルは掛詞のつもりです。

きのう、シェルターを訪問してきました。亡くなったメメちゃんに、Twitterでお知り合いになった方から託された遺影のイラストと、好きだったお刺身を供えるためです。

とても賑やかな供養の場になったと思います。チャコちゃんというキャットマスクのかわいらしいモノトーンの美人ねこちゃんの里親希望の方と、お世話ボランティアの方に、シェルターさんを交えて、水入らずのねこちゃんトークで盛り上がりました。

いちばん盛り上がったのは、このお題でした。

nekomemo.com

シェルターさん/ボランティアさん「大差ない。目と耳が2つで鼻と口が1つずつで、模様を取り換えれば入れ替えが可能なくらい」

里親希望者さん/僕「いやいやいやいや」「チャコちゃんはチャコちゃん」「うんうん。はなちゃんははなちゃん」

性差に意味があるかもしれないのでいちおう書くと、シェルターさんとボランティアさんは女性、里親希望者さんと僕は男性です。たまたまです(ファルスを示唆しているわけではない)。

  • シマウマ-シマ=ウマ(?)

とかね、似たような命題はいくつかあります。

でも、俺はそんな話はしないぜ。

*

はなちゃんが、くるみちゃんが、取り換え不可能な、固有の、一回性の、はなちゃん/くるみちゃんになったのは、いつからだろうか。

くるみちゃんは、かぜをひかせてしまったときと、避妊手術のときが、不可逆点だった。

dk4130523.hatenablog.com

はなちゃんは、シェルターで、戦災孤児のような姿をみたときと、行き返りに「君が好き」を鼻歌で歌ったときかな。

dk4130523.hatenablog.com

*

でも、玉ねぎの薄皮を剥いていくような、日々の積み重ねが、きっといちばん大きい。「気づいたら、好きになっていました」。どこの「an・an」でも、そんんなのよう書かんわ。

*

「固有性」「一回性」って話があります。たとえば、恋人に振られたときに「くよくよするなって。ほかに女(男)はいくらでもいるじゃん」って友人が励ましてくれますよね。

でも、恋が深いほど、これは効かない。

振られた人にとっては、その人(X)に振られたことが問題なのであって、これに対して友人は失恋一般の地平からことばを放っている。

村上春樹の「北欧家具」じゃなかった「ノルウェイの森」に意義があるとすれば、下巻の「直子が死んだ」のところです。葬儀の後でワタナベは1か月放浪する。まあ、直子に対するほどの恋を、相手を亡くすほどの出来事で喪失したあと、1か月程度の放浪で癒えるかといえば、いえないわけです。どう考えても一生かかる。ワナタベ君、ファイトだ。

(対して、漱石「こころ」の「K」は、「先生」は、呪いから解き放たれることなく、順に死んでいく。あかんやろ。先生が「お嬢さん」に対する責任を放棄したところが、あの小説の許しがたいところやで)

閑話休題

傍から見て、直子の代わり(小林緑「ワタナベ君、あたしを次のビスケットと思ったら許さないからね」)はいくらでもいる。Kも、お嬢さんの件で先生に先を越されたなら次を探せばいい。

交換可能やろ。

*

ごめんなさい。いま、嘘をつきました。

俺「目下の最大の課題は、船橋地震がおきたときの備えです。はなちゃんとくーちゃんを、どうやって簡易ケージに入れて(はなちゃん俺が触れてもがまんしてね)周りの白い眼に耐えながら避難所に向かうか」

里親希望者さん「うんうん。すごくよくわかるなあ」

シェルターさん「うちは諦めてます」

ボランティアさん「私なんて、ほら」(といって、自宅でお世話をしている猫ちゃんの首に埋めたチップの写真と、首輪につけた連絡先情報の写真を見せてくれる)

俺「ですよね。ほら、やっぱり、猫は取り換えがきかないんですよ。少しの模様のちがいじゃないんです。ほら、はなちゃんこんなにかわいい。くーちゃんこんなにかわいいさん」

シェルターさん/ボランティアさん「それはまた別の話」

里親希望者さん「俺にはチャコちゃんがいちばんです」

俺「うんうん」

*

理性はいつか来る喪失をわかっていても、いや、それだからこそ、かけがえのない毎日を大切にしようと思う。いま、つまらない悟りを開きました。

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

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ね、美々ちゃん。