illegal function call in 1980s

1980年代のスポーツノンフィクションについてやさぐれる文章を書きはじめました。最近の関心は猫のはなちゃんとくるみちゃんです。

かなわぬ夢の枕の話/雲黒斎の野郎め

一時期、狂ったように寄席やら映画のレイトショーやらに通っていたんです。

理由はわりとはっきりしていて、本を読みすぎて自家中毒を起こし、失語症みたいになっていたのを、精神科にかかっても仕方ないからなあ(原因つくってるの自分だし)、安吾(坂口)が外国語に没入してノイローゼを緩和したみたいなことを俺もやらなくちゃだわ云々、と思い、不思議なことに、そういうときに俺は心持ちが旅(放浪)と古典芸能に向かったんですね。

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で、別に知ったかぶりやアドバイス罪に陥ろうというわけじゃなくて、マクラについてはちょいと話をしてもいいかなと思ったので書きます。不躾なコメントをしちゃったお詫びもかねて。

談志(雲黒斎)のマクラが、(やっぱり)よかった。ですが、あの野郎、マクラからお題にうまく入れないときがあるんです。ちょいちょい、ある。けっこう多い。かなり高いレベルで、何かと戦っているんです。たぶん。

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ただ、あんまり味はよくないよねこれ。政治漫談。俺はらくだをよかちょろを聞きにいったのに、ぶーすか。この野郎金返しやがれと何度か思いました。

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こっちは、比較的きれいな談志。

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後になって気づいたことです。きっと、タイミングを、展開を、占って図っているんですね。今日のこの女との「まぐあい」は果たしてうまくいくだろうかと。日によって、なかなか思うように勃たないことがある。入っていても、ふと醒めちゃうときもある。上の「紺屋高尾」でも、1、2度醒めかけている。

よくいわれるけど、文楽黒門町)は、醒めない。名人たるゆえん。志ん生は、酔ってんだか酔ってないんだか、わかんない。

ちなみにもちろん、文楽志ん生も、ライブでは見ても聞いてもいません。TBSの早起き名人会をYouTubeに上げてくださっている方がいて、鬼籍に入られた師匠方は、もっぱらこれで味わっていました。ライブに話を戻して、談志、米朝歌丸が、僕にとっては図抜けていました。


八代目桂文楽 - 夢の酒

逆に彼ら以外は、僕の「びょーき」には効かなかった。早起き名人会は、これは効きましたね。それより前だと、三代目三木助の「芝浜」。昭和30年頃のテープから起こした音声を聞いて、涙がぽろぽろ流れたときに、カタルシスが来た感じでした。

(早起き名人会、いまみたら削除されてしまっていますね。)

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かるび(@karub_imalive)さんの、ライブがいいという感じ方は、わかる気がします。目をつむる、お客さんのこともわかる気がする。なんかぐだぐだな話ですが、ベテランの色物のみなさん(正楽さんの紙切りetc.)も楽しい。寄席がもっと身近になるといいな、なんてかなわぬ夢を、思ってます。

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