この年末年始も、多くの観光客が「八重山は」「竹富島は」俺のものだといって、羽田から新しくできた石垣空港に降り立ったに違いない。俺も昨晩戻ってきた。28日からほとんどインターネットにつながらない楽園(小浜/竹富)に滞在していたため世間で何が起きていたのかとうと見当がつかぬ。
小浜で「花子とアン」を、竹富でピスタチオを見たことは覚えている。東京モードに戻すためのラスト1泊、石垣で中島みゆきと桑田佳祐と中森明菜と松田聖子を見て、今回もまた俺たちの80年代は終わったのだと複雑な感懐におそわれた。
あそこまでやって天上界を模した「愛の賛歌」の演出に、越路吹雪を絡めてこないNHKの意図がよくわからない。Wの悲劇の作詞は松本隆で作曲は呉田軽穂だ(松任谷由実ではなく)とだれか吉高にひとこと耳打ちするスタッフはいなかったのか。原田知世を応援に呼ばなかったのは公開処刑を避けたいひろ子ファンへのせめてもの温情であったか。水森はかおりじゃなくて亜土。福山どうした。「Good Night」でいいんじゃないのか。桑田佳祐についてはいうべきことばを持たない。「勝手にシンドバッド」だとばかり思っていた。石川さゆりちゃんにトリ以外で「天城越え」を歌わせたらそりゃ横顔がやさぐれるさ。満悦しすぎの五木ひろしには清水アキラのサプライズがあれば俺だって許した。
(中略)それらすべてを喰って飲み込む聖子ちゃん…であったはず…赤が勝つと思ったのだが。
嵐に負けるかねしかし。
それにしても、いつの年代からストーリー性を欠いた抽象的な「ひとりじゃない」ソングで万事OKになったのか。山口洋子は…阿久悠はどうした。ジュリーはいないのか。樹木希林は。久米はどうした。黒柳徹子は。いた。生方(恵一)さん…
(石垣 北京龍の薄型テレビを前にうなだれる俺)
今回もまたたいへんに気色のわるい中途半端な政治性にまみれた紅白歌合戦への酔いどれの愚痴を受け止めてくれるお嬢さんが俺にはいる。どこかで書いたかもしれない。きわめて不適切な関係なので詳細を記すことが憚れるが、しかし、一年間の(あるいはそれよりも長い)彼女への御礼に、竹富と、小浜のシュガーロードを見せてあげたいと思った。2014年は俺たちの国仲涼子がどこか遠いところへ行ってしまった哀しい年であった。そしていま、同い年の仲間由紀恵も筑紫の炭鉱王から社会主義者(しかし宮崎滔天の息子とはなあ)かどこかの馬の骨に嫁ぐ日も…田中哲司…行ってしまったのだった。
閑話休題。そんなわけで28日朝羽田→28日午後石垣から小浜→30日午前竹富→31日石垣→1日石垣→羽田と行き来して、乳首が取れかけた人だとか、いろんな人を見てきたわけです。
そうしたら…姉さんありがとう!
今年、最後のレシピ。 - 今日、なに食べよう?〜有機野菜の畑から~
「衣被」食べてよし、読んでよし。「からころも」とか「きぬかつぎ」とか「くるみゆべし」とか「けしのはな」とか「小糠いわし」とかおいしいものがたくさんありますね(か行でまとめてみた)。三が日をかけて、これから何度かにわけて八重山滞在記を記します。
(昨2014年は何といっても自炊を取り戻したことが大きかった。今年も精進します)
取り急ぎ、御礼と新年のご挨拶まで。