職場の飲み会で寄席に連れていってほしいといってくれたのはとてもうれしい。
でも。おじさんが間違っていた。君らは知らないだろうがおじさんがついうっかり口を滑らせたのは黒門町とか志ん生とか談志とか三木助とかいうおじいさん連中のことだ。すまない。ちょっと遠くへ行っちゃって、その辺にはもういないのでござる。おじさんさけがはいるとああなってしまうのだ。どうしても連れていってほしいというのならYouTubeの早起き名人会を一緒に聞いてくれるか。
早起き名人会 第一回 春風亭柳好 「野晒し」「羽織の遊び」 - YouTube
それから若者よ。それまでしたり顔で女性社員にIT界隈のことを上機嫌でずっと語っていたのを、だまって頷いていた俺がジャズと落語に話題を移したらお姉さんたちが食いついてきたからって「僕も寄席に誘ってください」というのは割り切った大人のお付き合いが過ぎるというものであろう。早起き名人会誘っちゃうぞこら。
この前、朝あるいていたら日向ぼっこを満喫していたねこちゃんを見つけたのでこれはシャッターチャンスと思った。俺のスーツには「はてぶに書こう下心」と白いサイネージが浮かび上がっていたに違いない。写真は、次の瞬間、見透かされて振り向かれてニャーともいってくれなかった先生のお姿である。
若者の饒舌を眺めながら脳裏をかすめたのは、ねこちゃんのクールで億劫そうな佇まいであった。ニャー。
